発達障害グレーゾーンの子供が普通学級に通ったら~低学年編~

発達障害育児関連

発達障害グレーゾーンの子供が小学校に上がるとき、普通学級か、普通学級と通級か、支援学級か、必ず決めなければならない時がきます。

通級に通うためには、条件がありますし、子供に行かせたい方へ必ず行けるわけではありませんが、選択肢はいろいろとあります。

うちの息子は、通級に行けなかったため、支援学級と普通学級で悩んだ末、普通学級に決めました。詳しくは、【発達障害グレーゾーンっ子の小学校進学問題】をご覧いただければと思います。

普通学級に通い、どうなったのか、低学年時の体験談をまとめてみます。

発達障害グレーゾーンの子供が入学した後に見えた問題

コミュニケーションスキルの低さ

想像通りでもあり、予想以上でもあった問題が【コミュニケーションスキルの低さ】でした。

保育園のときは、一人遊びをしていても先生の話を聞けていなくても、フォローもしてもらえ、あまり大きな問題とはなりませんでした。ところが、小学校に上がると、先生の話を聞くことがとても重要になってきます。

特に普通学級は発達障害児に対する個別の支援体制がないため、先生の話を聞けないと、みんなといっしょに行動ができません。入学してすぐは、身の回りの整理など覚えることも多く、更に身体検査など特別なことも多くあり、目まぐるしく時間が過ぎていきます。

授業中に歩き回るタイプの発達障害ではなかったので、椅子には座っていたようですが、自分の世界に入って、ほとんど聞いていなかったのではないかと思います。

うちの息子にとって、本当にありがたかったのは、担任の先生と、たまたま出席番号で隣になった友達の存在でした。先生は、超ベテランの女性の先生で、何が起こっても常に冷静、全員に目を配りつつボーっとしている息子の横に立って注意をひくなど、視野が広くとても頼りになる先生でした。

また、隣に座った友達は、おしゃべり大好きな男の子で、相手が聞いていても聞いていなくても気にせずひたすらおしゃべりをしている子で、ずっと息子に話しかけてくれていたようです。

授業中もコソコソ息子に話しかけていたようですが、息子は無反応・・・

それでも、これがいい方向にいくと感じたという先生が、おしゃべりはある程度は放っておいて、他の子供の注意を先生に向けるような授業を行っていたそうです。

そうしているうちに、その友達が自分に話しかけていると気付いた息子が反応し始め、会話が少しずつできるようになり、その友達と遊ぶようになり、輪が他の友達にも広がっていったと、先生が話してくれました。

その友達に出会えたことは、息子の人生を変えてくれたかもしれないくらいの出会いで感謝しきれませんが、同じクラスになれたことは偶然でした。

ただ、先生は学校にきちんと相談していたことが功を奏したようにも感じます。普通学級にするか支援学級にするかを決めるときも相談し、ウィスク検査の結果も提出し、きちんと話し合っていたことで、息子に合った先生を担任にしてもらえたと思うからです。

学校に事前に相談しておくと、普通学級であっても、そういった面で配慮してもらえる場合があるので、事前に話し合っておくことはとても重要です。

みんなと同時に課題に取り組めない

授業中に配られるプリントや、図工の下準備など、決まった時間内にやらなければならない課題があっても、他の子供たちと同時に始めることができず、ボーっとしていることが多かったようです。初めのうちは、持って帰ってくるプリントも中途半端にしかできていないものばかりでした。

スクールカウンセラーの先生が巡回で見てくれたりもしていましたが、全ての学年が対象なので、やはり自分のことは自分でしなくてはなりません。

そこで、また先生の登場です。説明する際に、息子の横に立って息子の課題に使うものを使って、みんなに説明しつつ、息子の注意もひく、というやり方をしているのを学校公開でみて、先生すごいな、と思いました。

家では、持って帰ってくるものを一つ一つチェックして、続きができるものは一緒にやり、先生とも連絡ノートを使って、家でできることを聞きながら、中途半端で終わってしまうものを少しでも減らせるようにしていました。

1年生の後半になってくると、【課題】の意味に気付き、先生の話はなかなか聞けないものの、周りの友達がやっているものを見て、真似してみるということができるようになってきました。

課題を終わらせるのが早く、遅い子供の世話を焼く女の子たちに助けてもらっていたところも多くあったようです。

最初からみんなと同じことをするのは難しいことが多いと思います。担任の先生とできる限り連絡を取り、問題点を共有し家でできることは必ずやることが、子供がスタートでつまずかないためにも、重要なポイントです。

普通学級で成長したと思う点

学力が伸び、得意科目ができた

もともとIQが低く、どこまで勉強についていけるか不安を抱えてのスタートでした。家で宿題の他に予習・復習をし、できる限り遅れないように一緒に勉強しました。1年生で遅れてしまうと、勉強する気持ちがなくなり、自己否定感が強まってしまうと思ったからです。

初めての漢字テスト、算数テストで100点を取ることができ、やらされている感じの強かった勉強を自らする意欲が出てきたように思います。

それ以降、特に算数は得意科目と自分でも思っていて、4年生の今でも継続しています。

息子の通う小学校では、算数は、2年生から学力別の少人数クラスに分かれます。4段階に分かれ、1番下のクラスは、人数も一番少なく、じっくりと進めていくのですが、最初は息子はそのクラスに入りました。環境が変わることについていけなかったときに、先生の目がいきやすいように配慮していただいた形で、そのおかげで少人数クラスの雰囲気に慣れることができました。

慣れてくれると、授業内容は理解はしているため、授業の中で時間を持て余すことが多くなり、またボーっとする時間が増えてしまいました。そこで、クラスが上がり、今では一番上のクラスにいます。それが、息子の自己肯定感を強め、勉強に対していい影響が出ています。

それが全てでは決してありませんが、1年生でいいスタートがきれ、2年生でも勉強についていける状態を作ることは、発達障害グレーゾーンの子供にとって、勉強に対する姿勢が変わってくる重要なことだと思います。

発達障害グレーゾーンの子供を普通学級に入れるということは、親も、勉強に対して相当の覚悟が必要です。子供にいい影響が出るように、少しでも力になれるといいですね。

定型発達の友達に囲まれて経験を積み、自分の居場所を見つけた

最初こそ、コミュニケーションが取れませんでしたが、先述の友達ができたことで、友達の中に入っていくことができるようになり、生活が変わりました。

友達と遊ぶ楽しさを知る反面、ケンカなどもするようになりました。

一人っ子な上、一人の世界に浸って遊ぶことが多かったので、友達に嫌なことを言われることに慣れておらず、ちょっとした言葉で泣いたり、怒ったりすることも多かったようですが、先生が介入して、「ごめんね」「ありがとう」が言えるようになり、何が嫌だったのかを伝えられるようになってきて、更にコミュニケーションスキルが上がってきたように思います。

発達障害グレーゾーンの特性である、周りに合わせられないマイペースな部分が、友達との距離を掴みにくくさせていると感じることもありますが、自分でできる範囲で友達関係を築いているようです。

集団生活の中で、人間関係の築き方を見つけつつあるので、そこも普通学級に入って、いい影響が出ている部分だと思います。

発達障害グレーゾーンの子供は、人の気持ちを想像するのが難しい特性があります。でも、集団生活の中で様々な経験を積み、理解できるように話し続ければ、改善してくる部分もあります。最初は問題も多々あると思いますが、学校と連絡を取り、最善の方法を考えていくと変化が出てくると思います。

最後に

発達障害グレーゾーンの子供を普通学級に入れるのには、相当の覚悟がいります。その特性にもよりますが、発達障害児・グレーゾーンの子供が、自分の子供のクラスに入ってくることを嫌がる親御さんも実際にはいます。

決して対立するのではなく、そう思う気持ちを理解し、こちらも理解を求めていく低姿勢が大切だと思います。【特別扱い】ではなく、【理解】を求めます。

そして、勉強などは学校任せではなく、親である自分たちが責任をもつくらいの気持ちで臨んでください。勉強ができるようになることは、自己肯定感が高まり、周りの友達の対応も変わってくるので、コミュニケーションにも影響を与えます。

発達障害・グレーゾーンは定型発達の子供とは違うことをまずは認識し、その上で普通学級に入れると、思わぬ成長を見られることもあるかと思います。

発達障害・グレーソーンの特性の認識、学校と連絡をとること、障害が理解されないことも理解した上で隠さず理解を求め続けること、がポイントです。それを忘れずサポートしていくと、意外と子供は自分で道を見つけ、自ら成長していくことも多いです。

ギャングエイジに入ってくる前の2年間、小学校生活のいいスタートをきってほしいですよね。3、4年生の中学年に入ってくると、また違った問題も出てきます。それはまた次回に書きたいと思います。

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