発達障害グレーゾーンの子どもには様々な特性がありますが、集中力の高さ・集中力を維持する能力が高いといった特性が見られることも多いのではないでしょうか。
我が家の息子も、一度集中し始めると、かなり長い時間集中する特性を持っています。いい方向にいくこともあれば、のめり込みすぎて、集中が切れたあとに疲れて感情的になってしまうなど、少し問題として出てきてしまうこともありますが・・・
そんな特性を持つ息子が続けていて、効果が出てきたのではと思うのが通い始めて2年経ったプログラミング教室と、家庭でやっているプログラミングロボットです。
プログラミング教室は、習い事としてまた後の記事でご紹介しますが、ここでは家庭でやっているプログラミングロボット、またそれを使うことで息子にどのような効果があったのかをご紹介します。
発達障害グレーゾーンの子どもの特性を生かせるプログラミングロボット
以前、【発達障害グレーソーンの子どもの特性を生かす習い事】という記事でも少し触れていますが、プログラミングロボットは家庭学習の教材の1つとしておすすめです。
息子が持つ発達障害グレーゾーンの特性に合っていると思う点は、
〇長い時間持続する集中力がある
〇完璧を求めるため最後までやり遂げる(これは反対に問題となる部分もありますが、後で触れます)
この2点は特に、細かい作業が多いロボット作成に合っていたと思います。
また、発達障害グレーゾーンに関係あるのかはわかりませんが、性格的に
〇工作やレゴで物を作るのが好き
〇ロボットなどのおもちゃが好き
〇プログラミングの知識がある(興味がある)
といったところがあったので、その点も向いていたと思います。
発達障害グレーゾーンの特性を持つからこそ苦労した点
発達障害グレーゾーンの特性と合えば、プログラミングロボットは、その特性を生かせる教材ですが、その特性がゆえに難しかった点もあります。
〇集中してしまうあまり、その集中が切れたときに、脳が疲れてしまうからか、イライラしたり負の感情が抑えられないことがある。 感情コントロールができないことで自分を責め、自己否定に陥る。
〇完璧を求めて失敗を許せないため、ミスをすると怒る。それが集中が切れたタイミングと重なってしまうと、感情コントロールができない状況になる
〇ここと決めたところまでは終わらせないと気が済まないため、時間に余裕があるときでないと、途中で切り上げることができない
こういった点では、苦労しました。
感情コントロールができていないときは、状況をみて放っておいてみたり、その中でもこちらの話を聞く余裕がありそうであれば、成功した部分を褒めてみたりしていました。
良かった点を褒めても、肯定的に受け取ることができず、自己否定するようなことを言ってくる場合がほとんどなのですが、落ち着いてくると、私たちに言われた肯定的なポイントを確認してくることも多いので、耳には届いているようです。
実際に使った教材
プログラミングロボットには、いろいろな教材が出ています。
我が家では、アシェットコレクションズジャパンの『週刊学習ロボットをつくる』というものを使用しています。
上の写真は、実際に息子が作ったロボットです。
まずはロボットのパーツがどんどん送られてきて、ロボットが完成したら、そのロボットを実際にプログラミングして動かしてみる、というものです。
毎月中身によって、5,000円くらいから10,000円くらいの金額です。
やはりレゴとは違い、実際に光ったり音が出たり、更には自分のプログラミング通りに動くというところが、夢中になるポイントだと思います。
いろいろなプログラミングロボットを調べてみて、合いそうなものを見つけてみてください♪
発達障害グレーゾーンの息子がプログラミングロボットを通して成長したと思う点
実際にプログラミングロボットを作って、動かしてというところまでやり終わった息子をみて、成長したと感じる部分はいくつかありました。
失敗しても一度立ち止まって戻ることができるようになった
完璧主義で「失敗することが大嫌い!」と断言している息子ですが、このプログラミングロボットを通して、泣いたり怒ったりしながらも、失敗したと思うと、いったん立ち止まってやり直してみるということができるようになってきました。
怒っても泣いても、やり直さなければ先に進めないことが理解できたからです。
これで感情コントロールができるようになれば、更にステップアップできるのですが、それにはまだ時間がかかりそうです。
ロボットを組み立てる段階でこういったことを繰り返し、最終的には勉強などにおいても、プリント問題をやっていて思ったよりも正解が少ないと、怒ってプリントを破ってしまったりもしていた息子が、文句を言いながらも、破らずに再度間違えた問題にチャレンジしてみる、ということができるようになっています。
失敗が成功につながることが実体験できた
集中力はあっても、ここをこうしたら次はどうなる、などといった空想能力に劣る特性を持つ息子は、ロボット作成段階から失敗することが多くありました。
ただ、このロボットの良い点は、似たような部分が複数回出てくるところです。
一度失敗して怒っていた部分と同じパーツがもう一度出てきたとき、ずっと一緒に付き添っていた夫が、「この間やったところ覚えてる?」といった問いかけを繰り返し、今度は失敗せずにうまくできたときに、「一度間違えたことで覚えられたから、今回はうまくいったね」などの声かけをしていました。
そういったことを続けていくと、なんとなく『間違えることは悪いことではない』『間違えたからこそ、今回はうまくできた』といったことが理解できてきたように思います。
失敗を重ねることがかえって成功体験を増やし、プログラミングロボットに関しては、自己肯定感が高まっているような言動も見られるようになりました。
自分で解答を探せるようになった
ロボットを作り終えて、実際にプログラミングするとなると、自分がパソコンに入力したもの次第で動きが変わります。
両手を動くようにプログラミングしたはずなのに、片手しか動かない・・・ 前に進むようにプログラミングしたのに、バックする・・・ プログラミングの段階ではそのようなことがしょっちゅう起こります。
そうなったときには、今はあまり怒るようなことはなく、もう一度テキストを見たり、入力を変えてみたり、いろいろとやってみるようになっています。
問題が起こったとき、なんでも夫や私に聞いて頼って解決しようとしたり、泣いて怒ったりしていた息子が、自分の力で解決しようとしています。
これは、『好きこそものの上手なれ』で、自分の力で作り上げた自分だけのロボットを、自分でなんとかしたいという気持ちの表れなのではないかと思っています。
この、いろいろとやってみるということは、発達障害グレーゾーンの子どもにとって重要なポイントです。
空想や想像することが難しい特性を持つ子どもにとって、経験値は貴重なものです。想像ができない分、経験値をたくさん持っておくことが問題を解決する力となるからです。実際にやってみて得た知識は、これから必ず役に立っていくだろうと思います。プログラミングロボットは、そういった点から見ても優れた教材の1つだと実感しています。
プログラミングロボットは成功体験と自己肯定感を高めるチャンスの宝庫
子どものうちにたくさん失敗をしておくことが、後の人生を豊かにするというのはよく言われていることです。
それに加え、いろいろと自己否定に陥りがちな発達障害グレーゾーンの子どもにとって、成功する体験が増えるということは、自己肯定感につながります。
自己肯定感が高まれば、挑戦しようと思えることも増えてくるでしょう。
1つ1つに時間がかかり、壁にもぶつかりますが、このプログラミングロボットは、小さい成功体験を積み上げていける教材です。小さい失敗もたくさんできるので、『失敗は成功の基』がたくさん体験できるのです。
少しの成功体験を積み重ねていくことで、大きな自己肯定感となっていきます。
この成功体験は、プログラミングロボット以外でも必ずいきてきます。
レゴなどで物を作ることが苦にならないようであれば、一度ぜひチャレンジしてみてください!