子どもも学校に行けず、何かと大変なこの時期・・・
学習の問題や、運動ができないことによる体調の問題、家に籠っていることによる精神的な問題など、マイナスな面に目が行きがちですが、家にずっといられるということは、マイナスなことばかりではありません。
普段、好きなことに関していろいろ調べてみたり、そのことにもっと時間を費やしたいのに、なかなか時間が取れない・・・といったことがある場合にはチャンスです。
発達障害グレーゾーンの子どもは、何かを突き詰めたがる特性を持つ場合も多いのではないでしょうか。
この『突き詰めたい』欲求を思い切り満たす教材として、【図鑑】は非常に役に立ちます。
我が家の発達障害グレーゾーンの息子の例と併せて、図鑑のおすすめポイントをご紹介します。
発達障害グレーゾーンの子どもの家庭学習に図鑑をおすすめする理由
以前の記事、【発達障害グレーゾーンの子どもの家庭学習におすすめの教材③~子ども新聞~】でもご紹介したように、発達障害グレーゾーンの子どもの中には、読書が苦手な特性を持つ子どもがいます。
我が家の発達障害グレーゾーンの息子も、その特性を持っている1人です。
ただ、小学校高学年向けの本を読むことは苦手でも、更に字数の多い『図鑑』は大好きで、低学年の頃からよく読んでいました。
図鑑を集めることも好きで、お誕生日やクリスマスにいろいろな図鑑をもらって集めていましたが、自分が興味がある内容の図鑑は≪読む≫、それ以外は絵を≪見る≫という感じでした。
読書のように、図鑑を≪読む≫という状況にしたい場合は、興味があるもの、知りたいと思っているものを選ぶことも大切です。
読書が苦手な発達障害グレーゾーンの子どもに、なぜ図鑑がよいのでしょうか。
〇知りたい内容が掘り下げて書いてあるため、読みたいという気持ちが出てくる
〇文章の近くに、その内容に関する絵や写真が付いているため、内容を想像しやすい
〇抽象的ではなく、具体的な内容のため理解できる
抽象的なことを想像することが難しいという特性を持つ発達障害グレーゾーンの子どもには、この【理解できる】ということが重要です。
まず、文章を読むことに慣れる、文章を読む楽しさを知るという点で、図鑑は発達障害グレーゾーンの子どもにとって、メリットの多い教材と言えます。
発達障害グレーゾーンの子どもの家庭学習における図鑑活用方法
この休校期間で図鑑を熟読する時間があり、それだけでも効果があるのですが、更にこの時間と図鑑を有効活用してみています。
我が家の発達障害グレーゾーンの息子の興味の対象は【宇宙】です。
図鑑も、【宇宙】【星と星座】の2冊がお気に入りで、常に手を伸ばせるリビングに常駐させています。
【宇宙】の図鑑を読んでいると、発達障害グレーゾーンの息子の『突き詰めたい』欲求がムクムク。
遂には、天体望遠鏡が欲しいと言い始めました。
息子の知りたい気持ちを伸ばしてあげたい、という気持ちは私たち親も強いのですが、天体望遠鏡はなかなか値の張るものなので、即OKとは言えず・・・
息子が納得のいくまで何度も話し、《5回分のお誕生日プレゼント分割で》という交渉が成立し、数年前のお誕生日に購入しました。
毎年お誕生日には、おじいちゃんおばあちゃん、おじさんおばさんからもプレゼントがもらえるので、私たちからのプレゼントには執着せず、無事に過ごしています。
この天体望遠鏡で、図鑑と実際の夜空を見比べてみたり、月の動きを観察したり、流星群のニュースがあると、明け方でも夜中でも夫といっしょに天体観察をしています。
休校期間前の日常生活では、明け方や夜中に天体観察をすることはほぼ不可能でしたが、この期間だからこそ、こういった体験ができています。
図鑑だけでももちろん非常に有効ですが、何か実際に体験できるものと併用すると、更に知識が定着し、もっと知りたいという気持ちが出てくるようです。
この天体望遠鏡は、プロが使用するものではないので、限界がありますが、月のクレーターはしっかり見え、土星の環が初めて見えたときは、息子も私たちも大興奮でした。
ちなみに、この星座版も、夜空で星座を探すのに便利です。
このような感動体験は、それこそプライスレスだと思います。
発達障害グレーゾーンの息子が図鑑を読むことでできるようになったこと
図鑑を通して、読む楽しさがわかりつつある、発達障害グレーゾーンの息子が最近本を読むことができるようになってきました。
ブラックホールに興味を持った息子は、インターネットで調べることを通して、様々なブラックホールに関するニュースを知りました。
そしてたどり着いたのが、この本です。
抽象的な物語ではなく、宇宙にまつわる具体的な内容の本ですが、字数が多く難しい本ではあると思います。
やはり一気には読めないので、少しずつ読み進めています。
おまけですが、長い本を読むときの「しおり」の使い方も習得しました!
抽象的な物語を読めるようになるまでは、もう少し時間がかかりそうですが、まずは「本を読む」ということに関して、いいスタートラインに立てたのではないかと思います。
天体に関しては、図鑑を読むことから始まり、実体験を通して知識が深まり、更に知りたいことをインターネットで調べ、内容によってはノートにメモしたりもしています。
また、図鑑からのいい影響は、勉強面に関しても出てきています。
発達障害グレーゾーンの息子の今の夢は、天文学者になることだそうです。
天文学者になるにはどうしたらいいのかな?ということを息子と話してみた後、自ら勉強する時間が増えました。具体的に、勉強する目的ができたのかもしれません。
「図鑑を読む」から始まったことが、ここまで広がってきています。
最後に
発達障害の有無に限らず、子どもは何かに興味を持っていることが多いです。
その知りたい心をちょっとくすぐってあげるだけで、思わぬ成長を見せてくれたりします。
その手段の1つとして、図鑑は有効です。
また、発達障害グレーゾーンの子どもが、文字に馴染むきっかけとなってくれることも期待できます。
時間があるこの時期、興味があるものの図鑑をぜひ一緒に読んでみてください!