ゲームが発達障害グレーゾーンの子供の発達に与える影響とは

発達障害育児関連

発達障害をもつ子供やグレーゾーンの子供に限らず、子供がゲームをすることには、賛否両論ありますね。

私が子供の頃にやっていたゲームに比べ、息子がやっているゲームは難易度が高いように見えますし、細かくて、ハマってしまうのはわかるような気がします。

ちなみに、私は初期の「スーパーマリオブラザーズ」や「高橋名人の冒険島」の頃に小学校低学年だった世代です。

今のゲームは、終わりがなく、中毒性も高いとも言われていますが、発達障害の子供への影響はどの程度のものなのでしょうか。これは、発達障害の特性ににもよりますし、環境にもよるので、はっきりと明確な答えはありませんが、息子の様子を見ていて、経験上思うところをまとめてみます。

発達障害をもつ子供・グレーゾーンの子供はなぜゲーム依存になりやすいと言われるのか

発達障害グレーゾーンの子供は、定型発達の子供よりもゲーム依存になりやすい傾向があると言われています。

なぜならば、まず、発達障害・グレーゾーンの子供は、好きなことに関してはのめり込みやすく、まわりが本当にみえなくなるほどの集中力が特性としてあることが多いからです。

更には、こだわりが強かったり、同じパターンが安心するという特性もあるため、ゲームにはまりやすいと思われます。

発達障害・グレーゾーンの子供は、自己肯定感をもつことが難しいこともあり、ゲームの中に現実逃避してしまう、ということもあるようです。

うちの息子も、ゲームが大好きです。ゲーム依存にさせないために、今いろいろと試している最中です。ゲーム以外では、そこまで大きな問題もなく、何かしら解決策を見つけてきたつもりですが、ゲームだけは、そうはいきません。

ただ、悪いことばかりではなく、ゲームをすることが息子にいい影響を与えたと思える点も多々あります。

発達障害グレーゾーンの子供がゲームをする際のメリット・デメリットを息子を見て、思うことをご紹介します。

発達障害グレーゾーンの子供がゲームをするメリット

自己肯定感が高まった

発達障害グレーソーンの息子は、普通学級に通っているため、定型発達の子供たちよりも、できないことが多くあります。勉強は遅れがないものの、図工や体育では、やはり自信を失いがちになります。

そんなときに、思わぬ才能?を発揮したのが、「マリオカート」でした。最初は、私たちといっしょに始め、勝てずに癇癪をおこしたり、私たちがわざと負けたりしていました。

それを続けているうちに、コツを掴み、ゲームできる時間(後述しますが、我が家はゲームの時間に制限を設けています)は、マリオカートに全て費やし、一人で練習して、ショートカットできるような道ががないかを自分で研究して、今となっては、夫も私も相手になりません。

友達と家を行き来して遊ぶようになって一緒にゲームをするようになったとき、「すごい!」と友達に認められ、自己肯定感が高まる要因の一つになったと思います。

友達とのコミュニケーションツールになった

少しずつ人の話を聞けるようにはなったものの、低学年のときは、まだまだコミュニケーションスキルが低く、一人の世界に没頭することも多くありました。

ただ、友達とゲームをするようになり、最初は友達がいても一人でゲームに没頭したりしていましたが、友達にやり方を聞かれて教えたり、息子がやっているゲームに友達が手を出してきたりするのを繰り返すうちに、会話のキャッチボールができるようになってきました。

そこから、ゲームだけではなく、日常でも会話ができるようになり、外でも友達と遊ぶことができるようになり、サッカーなどにもいい影響がでています。

手先を使うトレーニングになった

発達性協調運動障害グレーゾーンでもある息子は、手先が思ったように動かせません。

そのトレーニングに、ゲームは非常に役に立ったと思っています。

最初は、マリオカートをハンドルで操作するなど、あまり手先を使わないですむもので遊んでいたのですが、そのうち、DSなど指で操作するゲームも、友達の影響でやり始めました。

最初はできず、友達の手を借りてやったりしていましたが、好きなものだと、練習するのです。あんなに、ビーズ通しなどを嫌がっていたのに・・・ ゲームはダメでイライラすることがありながらも、やり続け、1つのゲームをクリアできるまでになりました。

まだまだ、工作などでは劣る点もありますが、ゲームで指先が少し動かせるようになると、少し難しいLEGOに挑戦したりもするようになりました。気持ちの面でも、いい影響があったと思います。

発達障害グレーゾーンの子供がゲームをするデメリット

集中しすぎて感情が抑えられなくなる

発達障害・グレーゾーンの特性である、集中力が、ゲームに関しては悪い方に出てしまうことが多いです。

最初は、週末しかやっていなかったのですが、やっている間は、とにかく集中してしまい、やめる頃には脳や目が疲れているのか、感情のコントロールができず、癇癪をおこしたり、物にあたったりする姿も見られました。

これは、このままゲームを好きなようにやらせていては、これから先、息子にとっても私たちにとってもよくないと思い、ゲームをする時間に制限を設けることにしました。

自己否定感が強くなる

ゲーム以外では、学校に行く時間など、時計を見ながら時間を意識する練習をしていて、低学年でも、ある程度できるようになっていましたが、ゲームに関しては、やはりできないことがほとんどでした。

息子の場合、テレビは、番組に集中しているように見えても、画面の隅に時計があるからか、割と時間を意識できていました。

ゲームは、ゲームに集中してしまうあまり、時計を見ることそのものを忘れてしまうのです。

目覚ましも、5分ほど鳴り続けても耳に入りません。

それで、私が声掛けをして、やっとやめると、ただでさえキレやすい状況になっている上、時間を守れなかった自分を責め、自己否定感を強くしてしまいます。そして、さらに感情のコントロールができなくなるという悪循環にはまってしまいます。

外で遊ばなくなる

何か作るタイプのゲームだったり、ロールプレイングゲームだったり、途中でやめて続きをやるものをやっている間は、学校から帰ってきたらすぐにゲームをやろうとします。

友達に放課後、校庭で遊ぼうと誘われても、断って帰ってきてしまったり、その友達を家に連れてきて、ゲームをやってしまったりすることも多々ありました。

体を動かして、ゲームをして、ということが繰り返しできたときは、キレにくく、時間を見られる傾向があり、体を動かすということは、やはり脳にいい影響を与えているのではないかと思います。

発達障害グレーゾーンの子供がゲームと上手に付き合っていくために

今は、まだ息子も試運転段階ですが、ゲームと上手に付き合っていくために、様々な方法を試しています。親として、ここまで大好きなゲームを取り上げることはしたくないし、メリットもたくさんあるので、なんとか上手に付き合っていってほしいと思っています。

ゲームする日にちを決める

学童保育が3年生で終了し、放課後に時間ができると、どうしても友達と家にこもってゲームをする日が多くなってしまいます。

息子が通う小学校では、毎日ではありませんが、放課後、シルバー人材センターの方が学校に来て、校庭や図書室を開放して、子供たちを見守ったり、遊んでくださったりしています。たまに、地域のスポーツクラブなどが来てサッカー教室やバスケット教室が開催されることもあります。

そういったものにも参加してほしいので、日曜日を起算として、1週間に4日間はゲームをしてもいい日にしています。日曜日がきたら、またリセットされます。

最初は、日曜日から水曜日まで一気に4日間使ってしまって文句を言ったりしていましたが、今は、放課後校庭で遊べる日はサッカーをしてくる、友達と公園で遊ぶ日を設けるなど、自分がゲームをやりたい日、友達とゲームをやりたい日、外で遊ぶ日を自分で調整し、スケジュールが組めるようになってきました。

まだまだ、ゲームができない日に、ちょっとやらせてと言ってくることも多く、キレはしなくなりましたが、ダメと言われるとまだ怒るので、そこで我慢して他にできることを探す、気持ちを入れかえるということがこれからの課題です。

ゲームをする時間・休憩する時間を決める

いくら、ゲームができるのは4日間と決めても、1回にやる時間が長すぎると、脳にとってよくないことは変わりません。

そこで、我が家では、1回30分、休憩30分を基本として決めています。

今まで、時間を見なかった息子が、ルールとなると、タイマーを設定できるゲーム機は設定する、そうでないものでは時計を一応確認するようになりました。

平日は放課後だけ、週末と祝日はサッカーで大部分の時間を取られてしまうので、回数に制限は付けていません。

今の課題は、タイマーを5分前にかけて、終了時間を意識しつつ、30分でやめられるか、ということです。いつも30分ぎりぎりにタイマーをかけても、結局時間が延びてしまうことが多いからです。

誰かといっしょにゲームをすることを心掛ける

友達といっしょに会話をしながらゲームをしているときはいいのですが、1人でやっていると、どうしてものめり込みがちになってしまいます。

そうなると、感情のコントロールが難しくなってきたりもするので、1人の時は、いっしょにできるゲームに誘ってみたり、何を作っているの?と聞いてみたり、会話をするように心掛けています。

今、マインクラフトというゲームにハマっているのですが、話を聞くことによって、自分から作ったものを見て、動きを見て、と話しかけてくるようになり、ゲームをしながら会話ができるようになってきました。

そうなることで、感情のコントロールが以前よりもできるようになってきていると感じます。

最後に

発達障害グレーゾーンの子供は、ゲーム依存になりやすいと言いますが、上手に自分をコントロールできるようになれば、その集中力を生かして、ゲームやコンピュータの世界で生きていけるかもしれません。

今は、まだこの方法で落ち着いていますが、もっと複雑なゲームができるようになったり、年齢が上がってきたりすると、これでは収まらなくなってくるでしょう。都度、話し合ったり解決策を探していくようになるのだろうと思います。

ゲームが楽しいのは誰でもいっしょです。楽しみながら、上手にゲームと付き合っていく方法を見つけていってほしいです。

そのために、親が協力できることはしていきたいと思っています。