普通学級に通う発達障害グレーゾーンの子どもの友達関係トラブル① 

発達障害育児関連

発達障害グレーゾーンっ子でも定型発達児でも、人間関係を築いていく中で、学校では様々なトラブルがあります。

発達障害グレーゾーンっ子の息子も、トラブルを2度ほど経験しました。

その中で、トラブルが起こった際にどのように対処するのか、またその後の人間関係をどのように修復するのかなど、息子も多くを学び成長したと思います。

実際には、トラブル自体はそんなに大きな問題にはならず、短期間で解決しました。その後、問題を引きずっている様子もありません。

どのようなトラブルだったのかと対処法なども併せて、ここでは1つ目のトラブルをご紹介していきます。

鬼ごっこが発端!友達との本気のぶつかりあい

1つ目のトラブルは、個人的なケンカによるトラブルでした。

トラブルの発端は、子どもの鬼ごっこにありがちなもので、休み時間に鬼ごっこをしていて、息子が鬼になったとき、友達にタッチをしたのに、『タッチされていない!』『触られていない!』と何度も逃げられ、鬼を変わってもらえなかったことでした。

そこで息子が取った行動が・・・

相手の足を蹴り、蹴り返されそうになったところで更に頭をたたくというものでした・・・

校庭にいた先生が仲裁に入り、そこでいったんは収束したようですが、家に帰ってきてからも息子は腹の虫が収まらなかったらしく、『アイツとはもう遊ばない』と言っていました。

実は、その相手というのが学校では名の知れたトラブルメーカーで、友達をたたく・蹴る・噛みつく・石を人に投げる・暴言などで何度もトラブルがあるお子さんでした。息子とは1年生のときから仲が良く、息子との間ではそれまではトラブルはありませんでした。個人的に会うと、とても素直でかわいいお子さんなのですが、空手経験もあり、体も大きくて力があるので、まさか息子が向かっていくとは!と一報を受けたときはそちらに驚きました。

今までは口喧嘩すらできず、ちょっとしたことでも泣いてばかり、発達性協調運動障害グレーゾーンで素早く動けないということもあってか、誰かを叩いたり蹴ったりするなんてことはなかったのに、あの子に向かっていくなんて強くなったなぁと思わず感心してしまいました。

でも、親としては感心している場合ではないので・・・

発達障害グレーゾーンの息子が友達をたたいたり蹴ったりしてしまったときの対処法

発達障害グレーゾーンを抱えている息子ですが、普通学級に通って5年生になり、いろいろなことがわかってきて理解もできる歳になっているので、以下の方法が有効だったのかもしれません。

〇学校から連絡をいただいたので、そのときにトラブルの詳細をしっかりと聞いて、内容を把握しておく。

〇私たちが詳細を知っていることは話さず、なぜケンカになったのか、息子の理由をしっかりと聞く。

〇最初の原因が息子ではなかったので、ルールを守らないとみんながつまらなくなるし、ルールは守らなければならないものだという認識を息子と共有する。

〇そのまま流されず、正しいことをきちんと主張できたことは勇気があってよかった。

とここまでは肯定し、

●ただし、抗議の方法として、手を出したのはよくなかった。相手がどんなに悪くても、手を出した時点で同じ土俵に立ってしまう。

●叩かれたり、蹴られたりするとどう思うか。

●そういう場合はどうすればよかったのか。

という点を息子に聞いてみました。

発達障害グレーゾーンの息子が出した結論

〇叩かれたりすると、謝る気がしなくなるかもしれない

〇先生がいたのはわかっていたので、言ってもわかってもらえなかったときに、先生に言いに行けばよかった

〇もういっしょに遊ばない。

最後のは微妙なところですが、選択肢の一つとして、しばらくいっしょに遊ばずに距離を置くのも一つの方法だと思ったので、否定はしませんでした。

実際に顔を合わせると、どうなるのかはわかりませんでしたが、ここまで息子が自分で結論を出せたことに成長を感じました。

夫の言葉が息子に安心感を与えたかも!?

『相手が誰であっても、ルール違反に対して、ひるまず主張できたことがよかった。そこでケンカになってしまったのは仕方がない。そういうときには1対1でならケンカをしてもいい。何かあればパパがいっしょに謝りに行く。』

というのが、手を出すことはよくないという話し合いの結果があり、息子がそのことを理解した上での夫の言葉でした。

息子にとっては味方がいるという安心感を感じられる言葉であったと思います。

発達障害グレーゾーンの子どもに限らず、方法は間違っていたとしても、正しい主張をしたときにそれを認めてもらえる、トラブルが起こっても味方がいてくれるということは、とても大きなことです。

親として、そのことは忘れないようにしていきたいです。

翌日どうなったのか

翌日、相手の子が息子に『昨日はごめんね』と言ってきてくれたようで、息子も『蹴ったりたたいたりしてごめんね』と謝り、またいっしょに鬼ごっこをして遊んだそうです。

それ以降は、毎日のように鬼ごっこをしたり、サッカーをしたり、時には家に遊びに来たりしながら、よくいっしょに遊んでいます。

冷静になったところでお互いの気持ちにそれぞれが寄り添い、自分たちで問題を解決できたという結果が、息子には大きな経験になったと思います。

トラブルを通して

まだまだこれからもこのようなケンカでのトラブルは起こると思います。

発達障害グレーゾーンは、一見理解できたようでも、実はまだ理解が足りていなかった、ということが多々あります。息子のもつ特性では、よく見られます。

怒ってたたいても解決できないと理解したようでも、とっさに手を出してしまうようなトラブルはこの先も起こるのではないかと思います。

発達障害グレーゾーンの子どもでも、定型発達児の3倍、4倍の時間をかければ理解できることがほとんどです。それをこういったトラブル解決にも当てはめて、時間をかけて理解を深め、行動を起こす前に考えることができるようにしていければと思っています。

幸い、息子は自分に関係ないトラブルのことも話してくれるので、そういったことも利用して、自分だったらどういう対処をするのか、などどいったことを話し合ったりしています。

トラブルが起こった際には、子どもの主張を聞いてまず肯定してから問題について話し合うこと、また自分に都合の悪いことは言わない傾向があるので、学校の先生とも密に連絡をとって、事態を把握しておくことも大切です。

トラブル解決能力は、これから生きていく上でとても重要なものだと思うので、1つ1つ向き合っていきたいと思っています。