発達障害の子の転園

発達障害育児関連

息子が生まれてから、私の実家のある市に住んでいたのですが、年長になるときに、引っ越しをすることになりました。それまでに住んでいたところから、車で40分ほどのところで、そんなに遠くはないのですが、市が隣の市に変わります。

そこで出てきた問題が、転園をするか、実家にとりあえず住民票を残したまま、小学校に上がるまで今まで通っていた保育園に通い続けるか、ということでした。

不安を抱えながら転園を決意したきっかけ

発達障害にもいろいろとタイプがありますが、息子は、コミュニケーション能力が低いという特徴があります。

保育園でも、友達とも遊ばず、気が向かないと何にも無反応という状態だった息子が、2歳から年中にかけて、保育園にも先生にも徐々に慣れ、友達とも関わりあう姿が少しずつ見えるようになってきた矢先の引っ越しでした。

私には、無反応の息子とも仲良くしてくれた友達、ここまで少しずつできることを増やしてくれて、言いにくい発達障害の指摘もしてくれた先生と、この園でいっしょに卒園してほしい、という気持ちがありました。

それを保育園に相談したら、今どきは、小学校に行ったとき、同じ園を卒園した子がグループを作って遊ぶ傾向があるから、転園を考えている園に、同じ小学校の学区の子が多ければ、転園をおすすめする、と言われました。

コミュニケーション能力の面から考えても、友達ができるか不安だったし、何より息子のことを理解してくれている先生と離れてしまうことが不安でした。

でも、小学校に上がった後、孤立するかもしれないという不安の方が強く、結局転園することにしました。

発達障害児に転園はどう影響したのか

その後転園し、年長の1年間は、新しい園に通いました。新しい保育園では、とてもいい先生に出会え、保育園の雰囲気もとてもよく、環境は良かったと思います。

ただ、やっと友達とコミュニケーションをとれるようになりつつあった息子は、結局新しい園では同じ年齢の友達の中には入っていけませんでした。

前の保育園も、新しい保育園も、異年齢の子供が同じクラスにいる、縦割り保育で、新しい園では、年下の仲のいい友達ができ、息子自身は楽しく毎日通っていました。しかし、年長になると、年長だけの行事が増えるため、その中では1人でいるがほとんどでした。

本当に保育園の環境もよく、先生も息子に対して理解してくれて、友達も意地悪をしていたわけではなかったのですが、息子が入っていけなかったのです。やはり、不安が的中し、コミュニケーション能力は伸びずに小学校生活に入ることになりました。

ただ、殻に閉じこもってしまったということでもなく、能力が下がったということでもないので、特別悪い影響はなかったように見えましたが、前の園で卒園させてあげればよかったと、今は後悔しています。

小学校では、同じ園を卒園した子としか遊ばないって本当?

結論は、そんなことはありません。 日本中の小学校にないとは言い切れませんが、少なくとも息子の小学校ではありませんでした。

実際、息子より6歳年上の子供をもつ私の友達は、小学校入学から卒業まで、同じ幼稚園を卒園した子としか遊ばなかったと言っていましたし、そういう例もあるのでしょう。

ただ、息子の場合は、そのときに息子にとって必要だった環境を大事にするべきだったと思っています。

小学校にあがってしばらくして、出席番号が近い2人と友達になり、3人で遊ぶことが多くなりました。その2人と息子の3人は、3人とも出身園が異なります。そのときから、現在10歳になるまで、ずっとその2人とは仲が良く、今は家を行き来して遊ぶようになっています。その他にも、友達ができ、ある幼稚園の卒園生が多い小学校なので、一見、偏っているように見えますが、様々な幼稚園・保育園から来た子たちが混じっています。

たらればになるし、実際どうなっていたかはわからないのですが、あのまま、前の園での卒園を選択していたら、コミュニケーション能力が少し伸びていたのかな?息子に申し訳なかったかな、という思いを、私が引きずってしまっています。

発達障害児にとって、転園は大きな変化であり、影響も少なからずあると思います。コミュニケーション能力を伸ばせれば、小学校にいっても、順応できる可能性が高まるでしょう。

もし、年長で転園するような事態に直面したら、じっくり考え、お子さんの様子をよくみて、転園するのか、小学校まで待つのか、決断をくだしていただきたいと思います。

あとは、小学校の立地条件や、環境なども事前によく調べることもおすすめします。