発達障害グレーゾーンは、先天的な脳機能障害が原因と言われています。その脳が手や目・耳からの刺激を受け取ります。
脳機能に障害があるから、その刺激の受け方た違うとは言い切れませんが、発達障害・グレーゾーンの子供は、【感覚過敏】が多いと言われています。
発達障害グレーゾーンの息子も、感覚過敏だったと思う部分があります。今は少しずつ改善してきているので、対処法なども併せてご紹介します。
感覚過敏とは
感覚過敏とは、触れたもの・聴こえるもの・見えるものなどの刺激に対して、脳が過敏に反応してしまう状態のことです。また、環境の変化が気になってしまうのも、感覚過敏の一つの状態です。
①聴覚過敏
発達障害・グレーゾーンの子供に多いと言われるのが、この聴覚過敏です。定型発達の子供にはなんでもない音がうるさく聞こえたり、音が怖いと感じたりします。
実際には、年齢などに関わらず起こるもので、ピアノやサイレンの音、ドライヤーの音、爪を切る音など人によって気になる音が異なり、ひどくなると気になりすぎて会話ができない、眠れないなどといった状態に陥ることもあります。
②視覚過敏
発達障害の特性の一つでもある、LD(学習障害)も、この視覚過敏が原因となっている場合があります。文字がぶれて見えたりしてしまうこともあるようです。
あとは、光の問題です。晴れている日は特にまぶしく見えたり、電気がまぶしく見えて、日常生活に支障をきたしてしまう状態になってしまうこともあります。
③触覚過敏
触れたものに対して過剰に反応してしまう状態のことです。洋服や帽子を嫌がったり、眼鏡・靴下・手袋などを嫌がったりすることもあります。
水を怖がるのは、触覚過敏が原因のこともあり、子供だと入浴も怖がることがあるため、目を離さず安心させてあげることが重要です。
④味覚過敏
食べ物の舌触りを始め、苦味が気になって食べられないこともあります。また、甘味・酸味・苦味などの味そのものに過剰に反応してしまうこともあり、素材そのものは食べられても、塩味が強くて食べられない、などということも起こります。
わがままと捉えられてしまうことも多く、もし調理法によって食べられないものがあるなどという場合は、この味覚過敏を疑ってみることも必要です。
⑤嗅覚過敏
臭いに対して過剰に反応してしまう状態のことです。臭いによって、日常生活に支障をきたしてしまうこともあるようです。
発達障害グレーゾーンの息子は音を怖がった
発達障害グレーゾーンのうちの息子にも、感覚過敏かなと思うような状態がありました。
息子の場合は、【聴覚過敏】でした。
振動しながら音を出すグッズが怖い
1歳頃、クッション型のマッサージグッズを買い、息子の前で何気なく使ったら、ものすごく怖がりました。最初は、マッサージ部分が動くのが怖いのかと思いましたが、似たように振動するものを怖がったので、ブーンというような音が怖かったのだと思います。
保育園に行く頃に、椅子型のマッサージチェアを買ったときは、こちらは怖がりませんでした。そのマッサージチェアにまず慣れ、「同じものだよ」と言いながら、息子から離れたところでクッション型の方のスイッチを入れ、少しずつ慣らしていきました。
何度も続けるうちに慣れてきたのか、今は横で使っていても全く気にしなくなりました。
バリカンの音が怖い
続いて、息子が怖がったのが【バリカン】の音でした。
息子の髪を切ろうと思って、子供用のバリカンを使ったら、これもものすごく怖がりました。すぐ使うのはやめたのですが、トラウマになってしまったらしく、バリカンを見るだけで怖がりました。
床屋や美容院に連れて行ったこともあるのですが、バリカンを使う場所、というイメージが付いてしまい、七五三のときに鏡の前で、髪をムースで整えてもらうのも怖がってできず、別の場所でおもちゃで遊んでいる隙にやっていただきました。
小学校に入ってもバリカンは怖がったので、夫がはさみで髪は切っていましたが、えりあしを切るのに、私のまゆ毛用の電動フェイスシェイバーを使ってみたら、あの小さい音は大丈夫でした。
そこで、えりあしから、もみあげというように、少しずつ耳に近付けていき音に慣れさせました。その音に慣れたときに、「同じものだよ」と言いながら、夫が自分で使ってみせたりしながら距離を近付け、今はバリカンを使えるようになりました。
ただ、まだ床屋や美容院は嫌なようで、行けていません。
感覚過敏は少しずつ慣らしていけるものもある
発達障害・グレーゾーンに多い感覚過敏ですが、息子の聴覚過敏のように、少しずつ距離を縮めることで、慣れていけるものもあります。
聞いて嫌な音、まぶしくて嫌な光、触って気持ちが悪いもの、のども通らないほど嫌な味や舌触り、耐えられない臭いは、感覚過敏の問題を持たない人にとっては、理解できないものです。
もし発達過敏が疑われたら、発達過敏がどういうものか考え、無理強いだけは避けなくてはなりません。強引に慣れさせようとするのではなく、一度問題を目の前から取り除く方法をおすすめします。音が気になるなら、音の出るものを遠ざける、光を嫌がったら暗めの照明にしてみる、などです。
しかし、ずっと避けて生きていくことは難しく、慣れなければストレスで苦しい思いをしてしまうことも考えられるため、療育園に通っていれば担当医に相談したり、専門機関に相談したりしながら、時間をかけてフォローし、少しずつ慣れていければいいのではないかと思います。