発達障害と一言でいっても、数えきれないほど様々な特性があります。
特にグレーゾーンの子供は、周りから理解してもらえず、子供にして生きにくさを感じているのではないかと思います。わざとやっているわけではないし、逆にやらないのはサボっているわけではないのですから・・・
発達障害とは何か、その中でも今回は、発達性協調運動障害(DCD)について考えていきたいと思います。
発達障害とはどのような障害か
発達障害とは、自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などを含む障害のことです。
感染症や、遺伝子異常による疾患に起因するものもあるとも言われていますが、ほとんどがまだ原因究明中で、生まれつき脳機能の一部に障害があることにより発症する説が有力のようです。
外見ではわからないことも多いため、わがままな子供、ちゃんと教育していない親、などと思われがちで、生きにくさをかかえてしまう可能性のある障害です。
ただ、段々と発達障害に関して、情報が広まり、隠さずにきちんと話し対応すれば、息子の周りでは、ほとんどの方が理解を示してくれています。
そして、その3つ以外で、最近診断も出るようになってきたのが、発達性協調運動障害(DCD)です。
発達性協調運動障害(DCD)とは何か
手足や筋力など、個々の身体的な部分に問題はないのに、何らかの理由で、脳からの伝達がうまく伝わらず、思うように動かせない障害です。
発達性協調運動障害の子供は、寝返りやハイハイ、歩くのが遅いといった特徴があることが多くあります。ただ、うちの息子はDCDの可能性大のグレーゾーンですが、それでも、寝返りやハイハイは平均、歩くのに至っては、10か月過ぎだったので、決して遅いとは言えません。そのように、全員が当てはまるわけではありませんが、確率的に、そういった特性を示す子供が多いようです。
もう少し年齢が上がってくると、筆圧が異様に低い、はさみが使えない、ボールをついて遊ぶことができない、自転車になかなか乗れるようにならない、縄跳びが跳べないなどといったことが出てきます。
ハイハイや歩く時期には問題がなかった息子ですが、この、筆圧やはさみの使い方、ボール遊び、自転車は全て当てはまります。自転車に乗れるようになったのは2年生で平均よりかなり遅いです。4年生になってやっと安心して自転車で遊びに出せるようになりました。縄跳びは、いまだにほとんどできません。
練習が足りないのが原因ではないので、ただ練習させればできるようになるということではなく、できなくて当たり前、通常の説明では理解できても、脳から伝達はできないことを、周りの大人が忘れず、根気よく付き合って、とにかく楽しく時間をかけて支援していくことが大切です。
この発達性協調運動障害以外では、できることも多いのに、自信を喪失して自己否定につながってしまう子供が多くいます。縄跳びが1回跳べたときに、例え跳び方がおかしくても、たまたま跳べただけであっても、褒めて、自信を持たせることが重要です。
発達性協調運動障害児に役に立った支援法
息子が10歳になるまで、発達性協調運動障害という障害があることを知りませんでした。
発達障害として診察を受けていたものの、診断名は出ておらず、広汎性発達障害という抽象的なとらえ方で、今まで過ごしてきました。発達性運動機能障害という指摘で、しっくりきた感じがありました。
今まで発達性運動機能障害とはわからず、リハビリをはじめ、家でも息子に合うトレーニングを暗中模索で探してやってきましたが、10歳になって、様々な協調運動障害を少しずつ克服しつつあると実感しています。
私が、個人的に役に立ったと思う方法をいくつかご紹介します。ただし、私は医者ではありませんし、息子の特性に合っていたものなので、全ての発達障害をもつお子さんに有効化はわかりません。
まず、以前にも記事にしました、作業療法のリハビリです。【発達障害 作業療法の効果】
発達性協調運動障害とわかっていたのではありませんが、2つのことを同時にするのが困難だったので、2つのことを同時にできるリハビリをしていました。まさに協調運動のリハビリです。
そして、リハビリ以外で効果が高かったと思うのは、水いぼで休んでいて、1年生から再開したスイミングです。
始めてすぐの頃は、溺れているのか?というようなクロールをしていましたが・・・回を重ねるごとになんとなく形になっていくのが、見ていてわかりました。いっしょに始めた子供たちは、どんどん先に進級していき、息子はゆっくりマイペースでした。それでも水が大好きだったからか、他の子たちの進級にもめげることなく続けられました。今日は半分泳げた、25メートル泳げた、と嬉しそうに報告してくれることが少しずつ増え、クロールが終了したあとは、バタフライ終了まで、あっという間でした。
個人メドレー25m×4を泳ぎきることはできますが、フォームなどはまだアンバランスなところも実際にはあります。4泳法終わって、タイムが進級の対象になると、フォームのバランスがいまいちな息子には、やはり進級は難しかったのは事実です。
ここからわかったことは、きっかけや、できるようになるコツを掴むまでは、人の数倍時間はかかるけれども、一度掴んでしまえば、ある程度まではやっていけることが多いということでした。
水泳は、全身運動で、体のバランスや体幹を鍛えるのにも役にたつのでおすすめです。この体幹を鍛えたことが、のちにサッカーに生きてきます。詳細は、後日サッカーの記事でご紹介します。
続いて、サッカーです。サッカーは、正直大変でした。というよりも、今も大変です。発達性協調運動障害の子供にとって、非常に難しいスポーツです。
年長のときから始めて、チームメイトがリフティングなど、どんどんできるようになることが、全くできないということが何年も続きました。それが、10歳になった今、少しずつ変わってきました。もしかしたら、息子なりにサッカーのコツを少しだけ掴んだのかもしれません。
サッカーからわかったことは、継続は力なり。挫折しそうになったり、やる気をなくしたりしたこともありましたが、仲間が好きでここまで続けたことが、今力になっていると思います。コツを掴むまでに、他の子供より2年ほど余計に時間がかかっています。
発達性運動機能障害の特性がなければ、スポーツに限らず、苦手分野のリハビリになるようなことで、子供が好きで続けられるものが見つけられると、非常に有効です。療育園に通えるのであれば、担当医や理学療法士に相談してみるのもいいと思います。
発達性運動機能障害の特性が見られれば、サッカーに限らず、スポーツを継続してやってみることを、おすすめします。教室に通ったり、チームに入ったりするのは、あくまでも一例にすぎず、子供が率先してやりたいことを、お父さん、お母さんといっしょにやるという方法もあります。
とにかく子供が好きで夢中になれるものであることが前提で、いろいろ試して、合ったものを見つけてみてください。
最後に
発達性協調運動障害は障害です。
練習不足なわけでも、単純に運動音痴なわけでもありません。それを周りの大人が理解し、うまく導いてあげられれば、道は開けると信じたいです。
それと同時に、運動にばかりこだわらず、できること、得意なこと、好きなことを思い切り伸ばして、自己肯定感を高めるということもとても重要だと思います。
発達障害をもつすべての子供たちが幸せに生きられるように、できることをしていきたいと強く思っています。
コメント
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[…] 我が家の息子は、発達性協調運動障害グレーゾーンで、そのリハビリとして〈スイミング〉が役に立ちました。詳しくは【発達障害グレーゾーンを考える~発達性協調運動障害~】をご覧いただければと思います。 […]
[…] ただ、発達障害の中でも、発達性協調運動障害の特性をもつ子供にとって、スポーツは非常に難しい場合が多くあります。うちの息子はこの発達性協調運動障害グレーゾーンで、体の使い方のバランスが悪く、動きも遅いので、スポーツに向いているとは言えません。詳しいことはこちらの記事に書いてあります。【発達障害グレーゾーンを考える ~発達性協調運動障害】 […]
[…] うちの息子がもつ発達障害の特性の一つに、発達性協調運動障害グレーゾーンがあります。詳しくは、【発達障害グレーゾーンを考える~発達性協調運動障害】をご覧ください。 […]
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