発達障害グレーゾーンの子供が通級に通って変わってきたこと~中学年編~

発達障害育児関連

発達障害グレーゾーンの息子は、小学校入学の際に受けたWISK検査でIQの数値が足りず、通級に通うことができませんでした。そのときは、通常学級に入り、放課後等デイサービスで支援を受けていたのですが、デイサービス内で問題行動と様々な要因も重なり、2年生で放課後等デイサービスはやめることになりました。詳しくは、発達障害グレーゾーンの子供が問題行動を起こすときと解決方法をご覧ください。

放課後等デイサービスをやめましたが、まだ支援が必要だと感じたので、再度WISK検査を受けたらIQの数値が規定に達していて、無事に通級に通えることになりました。

息子が通う小学校の市では、息子が2年生のときまでは、自分の学校から特定の曜日だけ通級のある市内の別の学校に通うシステムでした。

ところが3年生になってからは、拠点校となる小学校から通級の先生が息子の学校に来てくれるシステムに変わり、自分の学校の中で、特定の時間だけ教室を移動するだけで済むようになりました。

これは、通級のある他の学校まで連れて行かなくてはならないため、仕事との兼ね合いを悩んでいた私には、ものすごい朗報で、本当にありがたかったです。

3年生のときの通級

3年生といえば、うちの発達障害グレーゾーンの息子は学校でも問題行動が目立った時期でした。詳しくは、発達障害グレーゾーンの子供が普通学級に通ったら~中学年編~をご覧ください。

クラスの担任の先生とはもちろん、通級の先生とも問題を共有し、相談に乗ってもらったり、ときにはクラスに様子を見にいってもらって、通級クラスのときに対処してもらったりもしていました。

通常学級だと個別に支援してもらうことはできないため、この通級の先生にすぐにクラスに見に行ってもらえ、支援してもらえる環境にあったことは、後々になって思うと、息子にとってとても大きなことでした。

個別支援

3年生のときの指導方法は、個別支援でした。個別支援とは、先生と1対1で支援を受けるものです。通級は、火曜日の5時間目に設定されていて、その時間だけ自分のクラスを抜けて、通級の教室に行きます。

まずその日あったことを話し、1週間のことを話し、それに対して先生が質問して返答する、ということから始まります。最初は、先生の目を見て話しをすることができず、返答も「うん、ううん」「楽しかった」「わかんない」などの一言だけ・・・

それが、1年間続けると、文章で話をすることができるようになってきました。家でも、私が聞いたことが面倒くさいと一言返事をしてきますが、話したいことはきちんと話せるようになってきたのも、3年生が終わる頃からでした。

クラスでの問題行動も、時間をかけて息子に話していただいていたのが、4年生での落ち着きに結びついたのかと思います。

その他の内容は、手先を使った工作があったり、時間を見る練習をするためのゲームがあったり、息子はとても楽しく通級に通っていました。

自分のクラスを抜けて通級にいくことの周りの子供の反応

私が心配したのは、タイトル通り、通級に行くために授業を抜けることに対する周りの子供の反応でした。3年生になると、障害児という意味もわかってきますし、悪気があってもなくても偏見を持ち始める年頃です。

息子の場合は、1年生のときからなんとなくできないことが多い子として友達に認識されていたような感じがしていました。1年生から3年生までの担任の先生がそれを上手に利用してくれて、友達が自然と手を貸してくれる環境にありました。

そして、3年生で通級に通うとなったとき、担任の先生が「人間ならば苦手なことが必ず誰にでもあります。その苦手なことを克服しにいくために、少しだけ授業を抜けます」というようなことをクラスの子供たちに話してくれました。

クラスの子供たちの反応は、「苦手なことを教えてもらえるなんていいね!」「がんばってきて!」という温かい反応だったようです。

優しい友達が多かったのと、先生の話していただいた内容が子供たちが受け入れやすいものだったことがいい結果につながった大きな要因になり、感謝でいっぱいです。その他にもう1つ、やはり発達障害グレーゾーンであることを隠さず話していたことで、受け入れる雰囲気ができていたのもよかったのかなと思います。

ペーパークラフトを使った手先の訓練

上の写真は、息子が通級で作ってきたペーパークラフトの【きぼう】です。

実物は、本当に細かい部分がたくさんあって、完成までに数か月かかっています。この【きぼう】は、4年生の最後に作ったもので、最初は恐竜だったり乗り物だったり、数回でできるものから始まり、段々と難易度が上がり、最後が大作でした。

もともと発達性協調運動障害グレーゾーンで、指先がうまく使えないという特性をもつ息子が、ここまでできるようになったのは親としてもとても嬉しかったですし、何より息子自身が達成感を得られ、自己肯定感が高まる結果となりました。

小集団指導

4年生になって、通級に通うことになれてくると、通級に通っている他の子供たちと3~4人での小集団指導が新しく追加されました。

学年、通級に通っている年数などは様々です。

2人で協力して作業をしたり、複数人で話し合いをします。

2人で協力する作業とは、例えば、様々な色の紙コップを使ったタワー作りなどがあります。1人がマニュアルを持ち、もう1人が指示に従ってタワーを作っていく、といったものです。正確に相手にわかるように伝えること、相手の言うことを正確に聞き取ることができなければ、完成しません。

相手にわかるように伝える、相手の言うことを理解しようとするというスキルをあげるトレーニングです。

小集団指導の中で、発達障害グレーゾーンの息子ができるようになったと思うのは、相手の意見を聞き、理解した上で自分の意見を言うことができるようになったこと、更に、相手と意見の相違があったとき、怒ったり自分の意見を押し付けたりするだけではなく、【話し合う】という姿勢をみせることができるようになったことです。

ただ、家では怒って自分の意見を通そうとします・・・ 家では甘えが出てしまう部分もあると思うので、私のキャパ範囲内ではスルーするようにしています。

通級に通うのは勇気がいるけれど・・・

発達障害の指摘を受けずに小学校に上がった場合、発達障害かもと思いながらも支援を受けるチャンスがなかった場合など、発達に疑問が少しあるけれど、どうしたらいいかわからない場合も多々あると思います。

今まで通っていなかった通級に通い始めるのには、子供が素直に通級クラスに通えるか、更には親が受け入れられるか、という問題点があります。

息子の場合は、最初から支援を受けていて発達障害グレーゾーンが周知の事実だったこと、学年の友達が受け入れてくれたことで、途中からでも通級に通い始められました。

ただ、友達関係がうまくいかなくなったり、友達に何か言われてしまう可能性もあるので、通級に通う場合は、担任の先生や学校とよく話し合って決定することが大切です。

親の気持ちの場合は、子供への影響がどのようなものなのか、一度見学をしてみることをおすすめします。直感で違うかも、と思うこともあるでしょう。もしかしたら、いい影響が出るかもしれないと思えることもあるでしょう。

全ての環境の変化を考え、様々な人の意見も聞き、家族でじっくり話し合って決定できるのが理想です。

最後に

通級は、予想以上に息子にいい影響が出ました。放課後等デイサービスよりも、個人指導が向いていたのが大きな要因だと思います。

通級の支援は手厚いですし、先生も発達に関するプロフェッショナルです。特別な資格もある先生たちです。

通級が発達障害の特性に合えば、一気に能力が伸びる可能性もあります。通級に通える環境が整ったら、ぜひ選択肢のひとつに入れてみてはいかかでしょうか。