発達障害グレーゾーンの子供が問題行動を起こすときと解決方法

発達障害育児関連

幼少期から学童期の子供は、その年齢に応じた問題行動は少なからずあるものです。誰にでもイヤイヤ期、反抗期、ギャングエイジなどは訪れます。

ただ、発達障害児やグレーゾーンの子供は、その時期に更に輪をかけて問題行動を起こしてしまうことが多々あります。

ADHDをもつ子供に多い衝動的問題行動

ADHDとは

ADHDとは、注意欠陥・多動症といい、自分のことをコントロールして、抑えることが困難で、それが問題行動につながってしまう障害のことです。

じっとしていることができず、常に動き回ってしまう、いわゆる多動症の他に、集中力が続かず、忘れ物が多く、気が散りやすい症状、言葉を発したり行動を起こす前に、その後どうなるか考えられず衝動的に行動してしまう症状などがあります。

うちの息子は、ADHDの診断は出ませんでしたが、忘れ物が多く、気が散りやすい、思いつきで言葉を発して相手を怒らせる、などという特徴が見られました。それがグレーゾーンなのかもしれません。

4年生になった今も、そのような特徴がみられることもありますが、だいぶ減ってきたように思います。息子のような特性をもつ発達障害児がどのような問題行動を起こし、どのように対処してきたのか、まとめてみます。

注意欠陥の症状例と対処法

不注意の症状は、周りのことに目がいってしまいがちで、今やらなくてはいけないことに集中できない、忘れ物が多い、物をよくなくす、ということが特徴です。

この注意欠陥の症状が、発達性協調運動障害以外では、一番特性が出ているかなと感じた息子の例を挙げていきます。

作業療法のリハビリでも、3分と目の前のことに集中できず、他の子供をみる、他のおもちゃをみる、ということを繰り返していました。そこで、作業療法士の先生がやったことは、パーテーションをたてることでした。最初は、それでもパーテーションから覗いたりしていましたが、数か月経つと、パーテーションの外は気にしなくなりました。それから少しずつパーテーションを外していき、最後には、パーテーションなしでも、課題をやり遂げられるほどになりました。

発達障害児でなくても、周りが楽しそうなことをやっていれば、気になりますよね。それは当たり前なので、まず視界から、そうなるものをなくす、という方法が一番てっとり早いと思います。その状態が普通になると、少しずつ視野を広げていきます。

息子の学校でも同じ対処をしてくれて、1年生の1学期は、常に廊下側の席にいました。外で体育などをやっているクラスに気を取られないようにするためです。それから真ん中の方に移ったり、前後で移ったりを繰り返し、2年生になる頃には窓側の席に座っても、授業に参加できるようになっていたので、少しずつ視野を広げる方法は有効だと思います。

発達障害児がものをなくしてしまう、忘れ物が多いという場合の対処法

結論から言うと、これは大人が介入し、繰り返していくしかありません。

翌日の学校の用意をしている最中に、他のことに気を取られ、教科書やノート、筆箱を入れ忘れる、月曜日に持っていく、上履きや体操着が目の前にあっても忘れていく、などということはしょっちゅうありました。サッカーの練習に行くのに、玄関に荷物は置いたのに、出るときには手ぶらで行こうとしたこともあります。

忘れるものだと思い、最初は全ていっしょに用意するところから始めました。気が散りそうになったら、散る前に声をかける、時間割をいっしょに見て、いっしょにランドセルに入れるところまでやっていました。出かけるときは、「〇〇持った?」と確認するようにもしていました。

それが息子にとって普通の状況になった次には、少し離れ、時間割を自分でみて、用意を始め、気が散りそうになっても声をかけず、本当に散ってしまったら、声をかけ、ランドセルに自分で入れられるようになるまで声をかけながら、一人で最後までやる、ということをしてみました。気が散ってばかりなので、時間はかかります。「〇〇持った?」は変わらず声をかけていました。

忘れ物をして、困るのは自分だし、困ったら次から忘れないようにするのでは?という声もありましたが、発達障害児にはそう簡単なことではありません。忘れてしまうのも、障害の一つだからです。それに、何より、忘れ物を続けて、自信をなくしてしまうのが怖かったので、介入することにしました。

次にやったことは、10分以内に明日の用意をするなど、時間で区切る方法です。息子といっしょに時間を決め、10分近くなるまでは、気を散らせていようが、とりあえず何も言わず待ちますが、10分近くなると、「大丈夫かな?」といった感じで声をかけました。ここで重要なのは、10分以内で必ず終わらせるように声をかけることです。10分を過ぎてしまうと、問題が時間を守れなかったことに移ってしまい、泣いて怒って大変です・・・

それを繰り返していくうちに、自分である程度用意できるようになり、今ではとりあえず次の日の用意を済ませてから、気を散らしています。

まだまだ好きなテレビ番組があると、用意を忘れてしまったり、書写があると言いつつ、書写セットを忘れて行ったりすることはありますが・・・回数は確実に減っています。

ここでのポイントもやはり、段階を踏むということが有効です。

思いつきで言葉を発してしまい、相手を不快にさせてしまう行動と対処法

息子は、基本的に問題行動はあっても、だいたい家の中で解決できる問題が多かったのですが、このときは、思いきり外でもめました。

放課後等デイサービスに通い始め、1年が経ったころから、問題行動が始まりました。

学業に遅れが見られなかった息子が、同じ歳で、学業に少し遅れがある友達に暴言を吐き始めたのです。実際には、息子はその友達のことが大好きだったのですが、相手はとても不快に感じ、殴りかかったり、ケンカが絶えなくなってしまいました。

発達障害児やグレーゾーンの子供は、相手の気持ちを察したり、空気を読むことが非常に苦手なことが多くあります。

自分はおもしろいつもりで言ったことが、相手を傷付けることになるとは気付かず、どうしてそんなに怒るのかわからない、といったこともよく起こります。

これがきっかけで、また息子とは関係なく別の問題も起こり、結局この放課後等デイサービスは2年生が終わる時点でやめることになりました。

これに対して、我が家が行った対処法は、相手がどう思うのか、時間をかけて何度も何度も話すという方法でした。ただ、息子だけが悪いとは言わず、息子がされて嫌だったことは認め、「あなたが嫌なことは、お友達も嫌なんだよ」ということは言い続けました。

私や夫にも、同じようなことをすることがありましたが、すごく悲しいということも何度も伝えました。

これが影響したのか、学校での子供社会で自分も嫌な思いをすることがあったからなのか、自ら暴言を吐くという行動は少しずつ減っていき、今では自分からふっかけるようなことはほとんどありません。友達の間からも、息子は優しいと言われることも多くなりました。

ただ、調子にのってしまい、友達が他の子をからかっているのに加勢してしまったりすることはまだまだ見られます。それが、これからの課題です。

最後に

息子に見られる症状を中心に書いてきましたが、ADHDをはじめとする発達障害には他にも様々な症状があります。

また、息子と似た特徴のある発達障害児でも、対処法が異なることも多々あります。

ただ、共通しているのは、発達障害児が、問題行動を起こしてしまうのは、元々の性格でもなければ、しつけがなっていないせいでもなく、障害だということです。

時間と手をかければ、改善することもたくさんあります。ただ、発達障害をもたない子供たちへの対処方法と同じようにしていては、改善できないこともあり、自己否定につながってしまうことも考えられます。

どのような特徴をもつ発達障害児なのか、グレーゾーンなのかをできる限りよくみて、把握し、医師などに対処方法を相談するのもいいことだと思います。

息子は障害児だとわかっていても、つい必要以上に怒ってしまったり、私が悪いのかなと落ち込んだり、泣いたりしたこともたくさんありました。息子を追い込んでしまったかなと後悔したことも数えきれないほどあります。その中で、少しずつ道を見つけてやってきています。

子供といっしょに親も成長できたら、素敵なことですよね。まだまだ手のかかる息子ですが、楽しんでいきたいと思います。

コメント

  1. […] 発達障害グレーゾーンの息子は、小学校入学の際に受けたWISK検査でIQの数値が足りず、通級に通うことができませんでした。そのときは、通常学級に入り、放課後等デイサービスで支援を受けていたのですが、デイサービス内で問題行動と様々な要因も重なり、2年生で放課後等デイサービスはやめることになりました。詳しくは、発達障害グレーゾーンの子供が問題行動を起こすときと解決方法をご覧ください。 […]