発達障害グレーゾーンで、その中でも発達性協調運動障害の特性が強い息子ですが、最近特に走ることとサッカーにおいて、素人目に見ても変わってきたことがわかるようになりました。
とにかくサッカーを継続してきたこと、コーチが発達障害に関して理解し見捨てずに接してきてくれたこと、自己肯定感が高まったことなどと、ゴールデンエイジが相まって、いい方向に向かっているのではと思います。
何が変わってきたのかと要因など、私が感じることをご紹介していきます。
ゴールデンエイジとは何か?
ゴールデンエイジとは、子供の身体能力や運動能力が人生の中で一番伸びると言われている時期のことです。5歳から14歳くらいまでの年齢を総じてゴールデンエイジと言います。
ただ、5歳と14歳では様々な能力があまりにも違うので比較できません。そこで、ゴールデンエイジは通常3つの期間に分けられます。
プレゴールデンエイジ
5歳~8歳くらいまでの期間をプレゴールデンエイジと呼びます。
このプレゴールデンエイジが、これから先の能力の発達に最も重要な期間と言えるかもしれません。この時期は、神経系の運動能力が最も伸びる時期だからです。
この時期はとにかく、外で思いきり遊ぶことが重要です。公園の遊具はもちろん、低めの塀の上を歩く、両足跳びで水たまりを飛び越えてみる、ボールで遊ぶなど全てが能力の発達に繋がります。最初はうまくできなくても、どうすれば成功するのか繰り返すことで習得していきます。
この時期に習得できたことは、次のゴールデンエイジに繋がっていきます。
ゴールデンエイジ
9歳~12歳くらいまでの期間をゴールデンエイジと呼びます。
プレゴールデンエイジで体の動かし方を知っておくことにより、この時期は目で見たものが即座にできるようになる時期です。大人になってから新しいことをしようとすると、手足はどう動かして、どのタイミングで・・・などど頭で考えることから入ってしまい、できるようになるまでに時間がかかりがちですが、このゴールデンエイジの時期の子供は頭より先に体が動いてしまうんです。大人からすると羨ましい時期ですよね。
この時期は、即時に習得できることが増えるため、今までできないと思っていたことが突然できるようになったり、周囲もびっくりするような成長が見られる時期です。
ポストゴールデンエイジ
12歳~14歳くらいまでの時期をポストゴールデンエイジと呼びます。
この時期には、神経系は90%ほど発達が完了すると言われています。大人とほぼ同じです。そのため、ゴールデンエイジに見られたような、突然スキルが上がったり、急激な成長はしなくなります。ただ、まだまだ成長期なので、継続することによりじわじわと成長していく時期になります。
精神的な発達もする時期なのかもしれないですね。
発達障害グレーゾーンの子供にはゴールデンエイジはない!?
私はそう感じていました。
サッカーを年長の頃から続けている息子ですが、どうしても周りの子供たちのようには成長していかず・・・ どんどん技術的にも引き離されていく感じがずっとしていました。
サッカーだけではなく、走り方そのものも不器用な感じがする、何をしていいのかとっさに判断できないため行動も遅いように感じる・・・
ところが4年生の終盤頃から、あれ??と思うことが増えてきました。 私も夫も別のスポーツをやってきているため、サッカー素人なのですが、その素人目に見ても今までとは何かが違うんです。
何が違う!!??
発達障害グレーゾーンの息子の何が変わったのか
サッカー素人の私たちが感じたことです。
〇遠くに転がるボールを数人で追いかけるときに、なぜか一番最初にボールに触ることが多くなった。(それまでは、とにかく一番後ろから集団を追いかけて走っているだけ)
〇ドリブル技術が上がったわけではなさそうなのに、かなりの確率で数人抜きをする。(それまではすぐ相手にとられる。時には味方に奪われる(笑))
〇点を取ることが多くなってきた。(それまではシュートにすら持っていけなかった)
〇味方からパスがくることが多くなってきている(それまではパスがもらえるところにすらいなかった)
〇ポジションを理解している。(それまでは、どのポジションでもボールだけを追いかけていて、すぐ疲れていた)
ざっと挙げてもこのくらいあります。
なんとなく変わってきた息子に何が起こっているのか
息子は発達障害グレーゾーンです。1つのことを理解するのに、人の数倍の時間を要します。ただ、時間をかければ理解はできます。
そして、発達障害の特性の中でも、発達性協調運動障害の特性を一番強く持っています。体が思ったように動かせません。自分はやっているつもりでもできていないことがたくさんあります。
更に、発達障害グレーゾーンとは関係なく、ゴールデンエイジが来る年齢には個人差があります。年齢は平均でしかなく、それより早く来る子供もいれば、遅く来る子供もいます。
この3つが重なっていたのではないかと今は思います。
チームメイトが3年生くらいで理解していたことがようやく理解できてきた、発達性協調運動障害の特性で思ったようにできなかったことが、プレゴールデンエイジが遅めにやってきたことでできるようになったことが増えた、ということではないかと感じます。
チームの中で一番成長著しいと言っていただくことも多くなりました。技術的には、まだまだ追いつかない部分もありますが、成長率は親の私から見てもすごいと思います。
例えば、サッカーにはかかせないリフティングですが、4年生になって他の子が20、30回、多い子で50回以上できるようになっている中で、息子は5回が精いっぱいでした。
ところが、4年生の終盤に、15回できるようになった、20回できるようになった、と数か月で突然回数が跳ね上がってきました。
そうなると、いい流れになってくるもので、息子の自己肯定感が高まり自信をもってプレーができるようになってきています。楽しそうに、更に真剣に一生懸命プレーする姿が見られるようになり、感動することもたくさんあります。
遅れてもゴールデンエイジはやってくる!それまでにできること
発達障害グレーゾーンの子供は特に、結果がついてこないと思う時期が長いかもしれません。
もうできないのかもしれない、発達障害だから仕方がないと思う前に、時期が遅いだけなのかも?と思うようにすると、見ている親も楽になります。できないことに対してイライラしてしまうこともあります。実際にありました。なんで家の息子だけああなんだろう・・・って発達障害グレーゾーンだってわかっていても思ってしまうんですよね。
でも、サッカー以外でも水泳を習わせたり、自転車で出かけたり、時間があれば広場でいっしょに遊んだり、ということを続けてきました。
友達と外で鬼ごっこやドッジボールを毎日やっていることも大きな影響を与えています。
とにかく、できないと思わず、ゴールデンエイジがやって来ることを待ち続ける余裕が重要です。発達の時期も、発達の幅も個人差がありますが、発達障害グレーゾーンの子供にもゴールデンエイジはやってきます!!
あんなに不器用な走り方をしていて、足の速さは学年で真ん中より少し遅いくらいだった息子ですが、やはり神経系の能力が発達したのでしょうか、今年は運動会でリレーの選手に選ばれました。走り方を教えたわけでもなく、走り方教室などに行かせたこともありません。ただ、最近は不器用そうな走り方はしなくなりました。
子供だからこそ、本能でできてしまうこともあるということの一例だと思います。
最後に
発達障害グレーゾーンでも、ゴールデンエイジはやってきます。どんなにゴールデンエイジが控えていても、継続していなければ意味がありません。
サッカーでもなんでも、楽しく継続できる環境を作ってあげること、一つのことに捉われずできることは何にでもチャレンジすること、できる限り外で遊ぶこと、が重要になってきます。
ゴールデンエイジは、運動能力ばかりでなく、楽器などの能力も伸びる時期だそうです。
環境を整えて来たるゴールデンエイジを気長に待ちながら、その子供が持つ能力を最大限に伸ばしてあげたいですね。